塗装工事の工程について

塗装工事では家を保護し、美しく保ち、目的と要望に応じた特殊機能を付加するという大きな3つの目的があります。
しかし、どんなに優れた塗料を使っても、正しく作業が行われなければ、その性能や効果を発揮する事が出来ません。それどころか、不具合の発生原因にもなり兼ねません。
そこで今回は、塗装工事の施工工程とその大事な目的についてご紹介していきたいと思います。

塗装の施工工程

施工工程は以下のような流れになります。

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それでは1つ1つの工程の内容と目的を見ていきましょう。

①足場工事と養生

●足場工事(工事中に設ける一時的な施設や設備を組み立てる工事)
→作業がスムーズに行える事、安全確保

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※現場に合った足場を組みます。通常1日で設置工事を行います。

●養生(飛散防止ネット、メッシュシート、ビニール)
→近隣に洗浄の際の水の飛散や、塗料の飛散を防ぐため(足場設置後に行う)

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→塗装箇所以外を汚さないため塗装しない部分を覆う(下地補修後に行う)

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※養生は仕上がりにも影響を与える重要な作業です。

②高圧洗浄

高圧水発生装置で加圧された高圧水をノズルから噴射した時の衝撃力を利用するのが高圧洗浄です。
そこまで汚れていない場合は約80~100気圧、汚れが激しい場合は約120~150気圧で水を噴射します。
気圧での説明だとイメージが湧きにくいと思いますが、この水圧はコインパーキングにある高圧洗浄機の2倍程度です。
→ホコリや汚れを洗い流し、粉化した塗料を落とす

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※塗装箇所が汚れたままだと、何を塗っても剥がれてしまいます。

その為に塗装面をキレイにするのですが、塗装面だけでなく外壁全体に高圧洗浄を行います。
屋根も一緒に塗装する場合は屋根から下へと汚れを落としていきます。
又、高圧洗浄の後は乾燥が必要になります。
最低でも24時間、下地の状況や気候条件によっては48時間の乾燥時間をとります。

③下地補修

塗装を行う際の下処理です。素材や状態により工程は変わります。
→ヒビ割れにシーリングを充填、剥がれた塗料の除去、サビ止めの塗布などで下地を調整し塗料の密着を高めます

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※下地補修作業の出来が、後の仕上がりに大いに影響します。
裏を返せば、この作業の出来次第で不具合が発生したり、塗料の剥がれの原因を引き起こしたりします。
ですので、ここが塗装職人の腕の見せどころと言っても過言ではありません。
作業内容は素材により変わりますが、主に下記内容があります。

(モルタル面)
クラック:シーリング充填
欠損:樹脂モルタル補修
(サイディング面)
クラック:エポキシパテ補修
目地:シーリング打ち替え
(窓枠などのサッシ周り)
劣化:シーリング増し打ち
※劣化が著しい場合のみシーリング打ち替え
(鉄部)
サビ:ケレン(サビ落とし、旧塗膜の除去)

④下塗り

塗装面に一番最初に塗る塗料を塗装します。
→上塗りの密着性を良くするために、塗装面を整える

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※下地によって使う塗料が違います。又、上塗り塗料に応じても使い分けます。
種類は主にシーラー、プライマー、フィラーの3種類ですが、それぞれ特性があります。

■シーラー
下地と塗料を密着するための接着剤的な役割と塗装面の塗料の吸い吸い込みを止める役割を果たします。

■プライマー
シーラーと同じように下地と塗料を密着するための接着剤的な役割を果たします。
外壁以外では鉄部等にも使用されます。

■フィラー
下地と塗料を密着するための接着剤的な役割と塗装面の塗料の吸い吸い込みを止める役割を果たします。
粘度の高い塗料なのでパテのような効果もあります。
主にモルタル外壁材にクラックがある場合は、下地に凸凹がある場合に使用されます。

⑤上塗り

下塗りの後に塗る塗料です。通常2回塗料を塗りますが、その1回目を中塗りと表現する事もあります。
塗装回数については、塗料の性質により変わります。
→見た目と耐久性を左右する重要な作業

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(付帯部の塗装)
軒天、雨樋、雨戸、水切り、破風等の塗装です。
→外壁や屋根と一緒に塗装することで全体的に美しくするだけでなく、防水やサビの進行を止める等大事な役割があります

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※付帯部の塗装の順番は塗装場所や塗料等により外壁や屋根塗装の前後になります。

⑥点検と足場解体

●点検
一連の作業が終わったら、足場解体前にお施主様と一緒に点検を行います。
→仕様書通りの仕事をしたのか確認。不具合や気になる箇所は悩まずに相談、質問してください

●足場解体
組んだ足場を解体します。飛散防止ネットやシートも外します。

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どれも大事な工程

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全ての作業工程が終わると、家の全貌が姿を現します。
美しく生まれ変わった家に新築時のような気分にもなりワクワクされる事でしょう。
どの工程もその美しさや塗料の機能性を活かす為に必要な工程です。
塗装工事においては最短工事を目指すのではなく、最適、最高の仕上がりを目指す工事を行っています。
ですので、工事期間は余裕を持ってお考えくだされば幸いです。

 


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