塗料の構成
塗料は塗装工程を経て乾燥、硬化し“塗膜”となります。
塗料の成分は、乾いて残る塗膜成分と塗料が乾き硬くなった後に揮発する揮発成分に分けられます。
3つの塗膜成分・・これが塗料の種類や性能、価格を左右します。
①合成樹脂
塗料の性能を決める最も大切な部分です。顔料を分散させ、被塗物に付着し、塗膜を形成します。
塗膜は建物を保護する機能があります。
②顔料
主に塗膜の色彩等を決めるものですが、機能を持たせるものもあります。
- 着色顔料・・様々な色をつける
- 体質顔料・・塗膜の肉もち感を上げる
- 防錆顔料・・サビを防ぐ
③添加剤
塗料が均一な塗膜となる役割や塗膜に特別な機能(防藻、防カビ、低汚染、抗菌等)を持たせる等の目的で添加されます。
※塗膜成分中の合成樹脂や添加剤の違いが塗料の機能を大きく分けていきます。
揮発成分・・塗料を塗るためのものです。塗料の性質に合わせて使い分けます。
有機溶剤(シンナー等)
溶剤系塗料に使われます。有機溶剤の種類により乾燥までの時間と溶解までの時間が大きく異なります。
塗装した後に独特の臭いを発しますが、以前に比べ臭いは軽くなり、臭う時間は短くなりました。
※溶解とは気体・液体・固体が他の液体あるいは固体と混合して均一な状態となる現象。
水
水性系塗料に使われますが、全てが水のものもあれば、少量の有機溶剤が含まれるものもあります。
塗膜成分と揮発成分の働きを図にしてみるとこんな感じです。
塗料が乾燥するメカニズム
塗料が乾燥し、硬化して“塗膜”になるもう何度も出てきましたが、実はこの乾燥と硬化までのメカニズムは樹脂によって異なります。
少しマニアックになってしまうので、乾燥までの過程だけをさらりとご説明しますが、このメカニズムの違いが塗料の乾燥までの時間を決めているのです。
色々な乾燥までの過程
- 溶剤が揮発するだけで他の化学反応を伴わない
- 溶剤が揮発し、空気中の酸素と反応し、粗い網目構造を作る
- 溶剤が揮発、硬化剤により化学反応を起こしてち密な網目構造を作る
- 溶剤が揮発することにより粒子どうしが融着して塗膜を作る
- 水分が揮発することにより粒子どうしが融着して塗膜を作る
たった乾燥し塗膜になるまでの事ですが、そのメカニズムは単純ではありませんし、その塗料の特性により工期にお時間を頂く事もあります。
勿論、天候にも大きく左右される工程でもあります。
溶剤系塗料と水性系塗料のこれから・・・
揮発成分には溶剤系と水性系の2種類がありますが、環境や人体への影響を想像すれば、溶剤系(有機溶剤)は使わない方が良いように思いませんか?
確かにその通りなので、塗料は環境や人体へ優しい水性系塗料の需要が拡大してきました。
それと共に溶剤系塗料も環境に配慮するように進化していますし、そもそも屋外で使用するので気化も早く臭いがいつまでも残ることはありません。
しかし、100%無害とは言い切れない溶剤系塗料が完全に無くならないのは下記のような理由があります。
- 塗料の密着性が高い傾向がある
- 艶や仕上がりのツルツル感が優れている
- 耐候性が高い
※耐候性とは塗料等を屋外で使用する際の耐久性の事。
塗料はどんどん進化していますので、いつの日か水性系塗料が溶剤系塗料よりも全てにおいて優れている時代がやってくるのではないでしょうか。
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