苔むす季節に苔について考える

苔、英語でモス。時として苔玉や苔盆栽、苔テラリウムとミニチュアとして小さな緑を楽しむものから、熊本市水前寺成趣園のような庭園や森林での苔セラピーとして安らぎと癒しを与えてくれるものですが、汚れとして私たちの目にとまる場合もあります。

屋根や外壁にも苔が生じ、景観を損ねますがそれだけではすまないの点に苔の怖さがあります。

今回は家の汚れとして目立ってしまう苔とその怖さについて考えていきます。

苔って何故生えるの?

① 胞子の付着

苔は胞子を風や雨で運ばれ、様々な場所に付着します。特に日陰や湿気の多い場所は、苔が生えやすい環境です。

胞子を飛ばす元の苔が多いような場所、竹林・森林の近く、土手や擁壁によって風通しの悪い場所や用水路や小川など湿気の多い箇所からは胞子の飛来が多いと考えられます。

 

生育に適した環境

苔が生えるには、水分と餌となる汚れ、そして適度な日光が必要です。日当たりが悪く、風通しが悪い場所は、苔の生育に適した環境になります。

特に熊本特有の高温多湿な環境下では苔は容易に生育する事が出来ます。また水分の溜まりやすい横スジデザインのサイディングボードや汚れが付着しやすいモルタル壁、また鳥の糞が残りやすい屋根など汚れが目立つ箇所に苔も目立ってきます。

 ③外壁の素材

先述のモルタル壁やリシン壁、ALC壁など、一部の外壁材は、湿度が高く苔が生えやすい場合があります。

ご近所のお家よりも我が家の汚れが目立つなど、素材の違いやデザインの違いで苔の発生具合は違ってきます。

 

これらの要因が組み合わさることで、苔は住宅の屋根や外壁、土間コンクリートなど様々な場所に生えてしまいます。

この苔をそのままに放置しておくと...

苔って悪さをするの?

① 美観の低下

冒頭述べました美しく見える苔もありますが、屋根や外壁に生じた苔はやはり汚れとしか見えません。

汚れの目立ちにくい色として黒っぽい外壁のお家も増えてきましたが、それでも目立ってきてしまいます。

写真は熊本市北区のお客様のコロニアル屋根ですが、北面側の苔汚れが目立ちます。

 

②塗膜の劣化、素材の浸食

単なる汚れとしての苔はまだしも、苔が生育する事によりそこに水分を溜めてしまう事が屋根や外壁へ悪影響を及ぼします。

ですがその悪さは苔自体に隠れた裏側でこっそりと行われているのです。これが苔の怖さの最たる部分です。

屋根や外壁は本来の材質を塗膜でコーティングする事により風雨による浸食、紫外線による劣化を防いでいます。

近年の酸性雨もしかりですが苔の裏側で常に水分に晒される事によって塗膜は劣化し、コーティング効果を発揮出来なくなります。

そんな状況も見た目上は苔が生えていて、裏側で進行している劣化を発見する事が出来ないのです。

そしてコーティングされなくなった屋根材・外壁材は防水性が損なわれ、内部へ水分が浸透して素材の浸食が進行していくのです。

 

(↑苔に覆われていた部分の塗膜は跡形もなく、ボード自体の浸食が進行していました。)

更にそのまま放置されてしまうと劣化はどんどんと進行し、屋根材・外壁材の破損や雨漏りの原因となってしまいます。

(↑防水性は損なわれ、このまま放置しておくとボード自体の欠落、間柱等木材の腐食そして雨漏りへとつながります。)

塗膜の劣化は比較的早くから進行していきますが、それが苔によって隠されていて目に見えず発見出来ない事が怖いのです。

 

③その他

苔の胞子を吸い込む事によるアレルギー反応や呼吸器官への影響、また皮膚トラブルの原因にもなります。

また玄関や土間のコンクリートに生えた苔は雨天時に滑りやすくなり転倒の危険性が高くなります。

 

苔を防ぐには?

①汚れを落とす

そもそもの苔の餌となる汚れを落とします。

手の届く範囲であれば拭き掃除にて汚れを落とし、手が届かない場合には放水等によって定期的な洗浄を行う事が肝心です。

建設時にセルフクリーニング効果のある屋根材や外壁材を用いる事も有効ですが、既に建ててあるお家ではそうもいきません。

ですが洗浄は自分で行う事が可能です。こまめな洗浄・清掃を行う事は大変ではありますが、お家を綺麗にまた守り事につながります。

それから最近のテレビアンテナですが外壁に取り付けるタイプが増えましたが、従来の屋根馬を置いて取り付けられたアンテナは、鳥たちの休憩場所になりやすく糞による汚れから、苔の発生へとつながるようです。※屋根の苔は屋根馬回りに最も生えている場合が多いです。

 

②風通しを良くする

苔の発育には水分が必要です。ジメジメとした空間や日当たりの悪い場所を作らない事も重要です。

外壁であれば、壁際に物を置かないようにしたり、雨水が溜まってしまうバケツや他の物を外壁近くにおかないようにすると良いでしょう。

 

③苔を落とす

上記二つの対策を行っていても苔が生えてしまった場合、汚れを落とす事と同じですが洗浄にて苔を落とす事が重要です。

ただ汚れ落としと違う点は苔は根を張ってこびりついているために、簡単に落とす事が出来ません。

タワシやブラシを使ったり、ある程度水圧の高い洗浄機を用いる必要があります。

また苔は熱に弱いために熱めのお湯(45℃以上)をかけると苔が死滅し、またふやける事でブラシ等でこすり落とす事が容易となります。

※材質や構造によって熱湯をかかると破損や劣化の原因となる場合があり注意が必要です。

 

これらの対策は地上に違い部分では割と容易ですが、高所の場合や下屋の上部等危険性を伴う部分では専門業者へ依頼する事も検討された方が良いと思います。

 

苔に悩んでいたら?

最近では外壁洗浄を専門とする業者も見受けます。築年数や塗替え後の年数にもよって選択するべき方法が違ってきます。

新築からまだ数年...塗り替えたばっかりなのに...

そういう場合には洗浄が有効でしょう。

ですが苔を放置して10年以上とか、もうそろそろ塗替えかな~と考えてしまう方は時期的に塗替えのタイミングなんだと思います。

高圧洗浄にて苔を綺麗に洗い流し、

 

(↑下屋の入隅。日当たり・風通し共に悪く黄色い苔※が発生していました。)※藻類かもしれません

 

劣化した塗膜を改めて再形成する事により

浸食を防ぎ、雨漏りや木材の腐食からお家を守り事になります。

文字通り見た目以上の働きが「塗り替え」る事によって蘇るのです。

もちろん弊社でも洗浄だけを施工させて頂く事も可能です。お家の状況やご事情に対応したご提案をさせて頂きます。

まずはお問合せください。

熊本のお家のお困り事は外壁・屋根の塗装専門店ふじ美塗装まで。